映画『君の名は。』 を観て考えたこと(感想・ネタバレあり)

「僕」「君」
最近の映画や小説、マンガでは、1人称や2人称を使ったタイトルがよく使われている。
今回紹介する映画『君の名は。』もその一見”ベタな”タイトルである。
おそらくタイトルだけでは情報の波に飲まれてスルーしてしまった可能性があったが、
監督:新海誠、企画・プロデュース:川村元気
という情報が入ったことで、マストだと思い劇場公開日に観にいった。
観てみると期待以上の内容で、今年観た映画の中でも特に良いと思っていた「シンゴジラ」「ズートピア」を上回った。この感動を忘れないうちに書き留めておこうと思いブログ記事にすることにした。

予告映像のように、本作では遠い距離にいる男女が入れ替わるというストーリーで、
それこそ、「僕が君で、君が僕」になる。単純にこれだけを聞くと1982年に公開された映画「転校生」を思い出す方も多いと思う。

最初は「転校生の現代版」を想像して、
「男女の中身が何かの拍子で入れ替わって、それが元に戻って、恋が芽生えて、ハッピーエンド」
というベタな展開を予想しながら観始めるのだが、そんな安易な思いはすぐに良い意味で裏切られてしまう。

なぜなら本作は、入れ替わるという出来事を、何かの拍子、単なるハプニングということだけで終わらせずに、
「なぜこの2人が入れ替わる”運命”になったのか?」
というところが描かれるからだ。

この”運命”というところが非科学的で非論理的であるにもかかわらず、多くの人を惹きつける要素のように思う。

こんなことを思ったことがある人はきっといるのではないだろうか。
「運命的としか言いようがない出逢いを経験したことがある」
「きっと将来自分は運命的な出逢いをする」

人がこうしたことを考えてしまう背景としては、
「なぜ自分はこの地球上に生まれてきたのだろう」
「きっと生まれてきたからには何か理由があるはずだ」
という思いが潜在的にあるからのように思う。ただこの理由を考え出したところでキリがなく結局答えも分からないのだが、地球の外、宇宙をみてみると、この地球が太陽の周りを回るという法則があったり、星もある法則に基づいて動いているということが分かる。そもそも大昔には人間そのものもこれらの宇宙の法則によって誕生したのだから、星と同じように人それぞれの人生にも法則のようなものがあると結びつけることはある意味自然だと思う。「星占い」の類が信じられているのも古く昔からそういった考えが継承されているからだと思う。

この作品では突然起こってしまった”男女の入れ替わり”だけではなく、星などの”自然の摂理”と”運命”をテーマにすることで、
「人の脳裏にある潜在的な思いを引き出させてくれる作品」
になっているのだと思う。そこが、心が震えるような思いにさせてくれた理由のように思う。

また、男女の中身が入れ替わってしまうという、非科学的で非論理的なファンタジーな世界観の中で、自分の実体験と結びつけられてしまうリアリティーのある共感シーンがいくつも散りばめられてあるのも感動を増幅させられる理由となったように思う。

①見ていたはずの夢の内容が思い出せない
睡眠中に夢を見るというファンタジーなことを誰もが経験している中で、重要だった気がする内容の夢の内容が思い出せない。リアルの世界でも重要な内容かもしれない。というような気持ちになってしまうようなことがあるが、作中ではそういったシーンがうまく描かれている。

②実在する地名が舞台
作中では実在する地名やその風景がたくさん登場するのだが、特に、「天に長い尾を引くたくさんのほうき星」と、複数の電車が入り混じる、四谷駅、新宿駅などの駅を通る「線路を走る電車」とがダブって見えたところには、人と人も見えない力(電車でいえば線路のようなもの)によって引きあったり、引き離されてしまうということを考えさせられた。

③現代が舞台
現代でもし他人と入れ替わってしまったらどうなってしまうのか?と考えた時に、思わぬ変化にパニックで何もできなくなるのかというと意外にもそうでもないというのがリアルだと思った。案外すぐに状況を把握して、入れ替わった相手の制服を着て学校に通ったり、バイトに通ったり、スマホに残されたメモを確認して、その友人とのコミュニケーションも深めていったりしてしまうのだろう。そのあたりも実にリアルに描かれていて面白い。

共感できるポイントがたくさん散りばめられているからこそ、今の自分と照らし合せて考えるきっかけになり、ファンタジーな世界観の中でもストーリーにのめり込めたのだと思う。

作中に幾度と登場しトリガー(きっかけ)になる『ムスビ』というのも、自然の摂理を考えさせられるきっかけになって面白かった。

糸を繋げるのもムスビ、人を繋げることもムスビ、時間を繋げることもムスビ。全部同じ言葉を使う。水でも、米でも、酒でも、何かを体に入れる行いも魂と結びつくからムスビ。

確かに言われてみれば、この世で何かが起こるトリガーになる瞬間というのはムスビであったりその反対の行為であるように思う。
男女の”ムスビ”によって生命が誕生する。母親との”ムスビ”(へその尾)が切断されて赤ちゃんが生まれる。など改めて自然の摂理を”ムスビ”と関連させて考えて見ると非常に面白かった。

思ったことを全部書いてみたが、とにかく観終えた時の感情が、単に「この映画良かった」という感情だけでなく、
「この先に起こりうる、人との縁であったり、出逢いをもっと大事にしていきたい」
そう思える作品だった。なるべく多くの人にこの作品を観て欲しい。

『LINE着うた』で自分好みの呼出音!「ただ聴けるだけ」で終わらない音楽聴き放題サービスの誕生

先ほど新たにLine Musicで『LINE着うた(呼出音)』というサービスが発表されました。

・あなたの好きな楽曲をLINE無料通話の呼出音に設定しよう!(設定方法も記載されています)
http://music-mag.line.me/ja/archives/64687608.html

このサービスを利用することで、
「LINEで電話をしてきた相手に自分が設定した音楽を聴かせる」
ということができます
(※現在はいわゆるガラケー時代の「待ちうた(RBT)」機能で、今後は「着うた」のように着信音としても使えるようになるみたいです。)

国内の音楽聴き放題サービス(音楽サブスクリプション)といえば、Apple Music、KKbox、AWAなどで、どのサービスも、お金を毎月定額支払うと数千万曲もの音楽が『聴き放題』という中で、それぞれサービスの差別化を行っていました。しかし、音楽が『聴き放題』ということ以外の機能はどうしてもパンチ力に欠けていて爆発的に有料会員数が増えるということは現状起こっていませんでした。

これだけYouTubeやスマホが広がった今の世の中で、『音楽が聴き放題』といわれても、若者(特に学生)からすれば、
「ただ聴けるだけじゃん」
というのが正直な感想であって、無料で楽しめるYouTubeを聴くだけで満足し、音楽聴き放題サービスに対してお金を払う人というのはどちらかというとモノ好き(コアな音楽ファン)の部類に入る人達だったのだと思います。

それもそのはず、インターネットやスマホが普及する前は、音楽(CD)を買うことによって友人と貸借をしたり、カラオケブームの時にはCDとセットになっている歌詞カードで歌を覚えて友人の前で披露する。というコミュニケーションが今より頻繁に起こっていました。

「CDに対してお金という対価を払った先に、友人とのコミュニケーションが捗ることが約束されている」状態が作れていたので、コアな音楽ファンでなくても音楽を購入し、CDのミリオンヒットも今より頻繁に起こっていたのだと思います。(このあたりについては、以前の記事に詳しく書いていますので参照ください。「米タワーレコードの栄枯盛衰を描いた映画「ALL THINGS MUST PASS」を観て考えたこと」)

全世界的にCDのパッケージ市場が低迷していく中で、日本ではガラケー時代に「着うた」「待ちうた(RBT)」という発明がありました。

「着うた」「待ちうた(RBT)」という対価を払った先に、周りにいる友人に着信音を聴かせることで「今のって○○の曲だよね?」というやりとりが発生したり、自分に電話をかけて来た相手が「今の音楽どうやって設定したの?」と聞かれることがしばしばあることで、対価を払うことに対してコミュニケーション欲が満たさせる満足感がありました。音楽業界的には、着うたで先に話題を作ってからCDをリリースするということも行われており、音楽ヒットに大きく貢献していました。

今のスマホ時代にどうすればこのような状態を作れるのかということを考えていましたが、この「LINE着うた」は一つの答えのように思います。しかもこのサービスは、日本国内においては、
「国民から日常的にコミュニケーションツールとして利用されているLINEにしかできないサービス」
です。前述のApple Music、KKbox、AWA、海外で最もユーザーを獲得しているSpotifyでさえも真似することは難しいです。自社のサービスの強みを最大限に生かすことができるサービスだと思います。

LINE MUSICによる、「ただ聴けるだけじゃん」で終わらない音楽聴き放題サービスの誕生で、今後のスマホ時代の音楽市場がより大きなものになっていくことを願っています。