“動員の少ないバンドはライブを〜”から思うメディアとしてのあり方について

海保けんたろーさんの「動員の少ないバンドはライブをするのをやめてもらえないだろうか」というブログ記事に対するアジカンのGotchさんの反応を発端に、大きな議論が巻き起こったことはこのブログを読んでいただいている方は既にご存知かと思います。

その後GotchさんにSpincoasterで実施した下北沢THREEの店長であるスガナミさんへのインタビューこそ読まれて欲しいとご紹介いただきました。

また、このインタビューに対してGMAの金野和磨さんにも嬉しい内容のブログを書いていただきました。

「動員の少ないバンドはライブするのを止めてもらえないだろうか」について思うこと――提案はどこまでも建設的でありたい

我々としては一連の流れは寝耳に水の事態でしたが、とにかく下北沢THREEの熱く、クレバーなスピリッツがたくさんの人に届いて嬉しい限りです。

海保さんのブログの中身に関して僕は特に語れるモノを持ち合わせていないので、ここでは言及しません。

僕からはこの件を通して、この記事の当事者の一人として、メディアの人間として思ったことを書きたいと思います。

まずSpincoasterの今回の下北沢THREEへの取材ですが、これは弊メディアの学生インターンの女の子が中心になって行ったものです。取材時の彼女はまだ大学1年生という若さながら、今の音楽の業界に対してもはや憤りに近い問題意識をいくつも抱えていました。「なんなんだこの子は」と、正直最初出会った時はちょっと引きました(笑)

しかし、彼女の想いの強さや勉強熱心さは本物で何とか形にできればな、と色々と企画を考えている中で、タイミング良くTHREEのスガナミさんから相談を受け、今回のインタビューに至りました。

記事を読んだ方は、ひたすら現場と向き合い、今の体制に至った下北沢THREEに対してとても誠実で現実的で情熱的なライブハウスであるという印象を持ったのではないかと思います。僕もインタビューに立ち会いましたがスガナミさんは本当にその印象通りの方です。

つまり、この記事は誠実で情熱を持った人を、誠実で情熱を持った人が取材したというめちゃくちゃピュアなインタビュー記事であるということです。

なので、この記事をご紹介いただいたこと、また読んでいただいた方にポジティブな反応をしていただけたことはとても誇らしかったし、もしそうでなければメディアを運営する者にとっては絶望でしかないということです。これ以上、質の高い記事なんてつくれません。

公開時も大きな反響をいただいましたが、今回の件はその時以上の反響がありました。あのブログがあったからこそ、拡散され内容がより伝わったのだと思います。

で、話を戻します。今回の炎上の大元となったのは海保さんのブログの「攻撃的なタイトル」です。あのタイトルがなければ、色々な人が意見を交わし、ブログを書き、問題提起されることも、あのインタビューが再評価されることもなかったと思います。一石を投じたという点においてはとても意味のあることをしたと思います。

一生懸命書いた記事が、あまり読まれず、誰にも言及されず、虚しさを感じることも多々あります。煽り気味のタイトルで気を引きたくなる気持ちも分かります。

海保さんも「拡散のために意図的につけたものだが、攻撃的すぎた」とその後、反省の記事を書いていますが、それくらい攻撃的な言葉は伝播力を持っています。
謝罪と反論(動員がないならライブ止めろ記事について)

そういう考えやスタイルを否定はしませんが、我々はそうでないスタイルで、自分たちが納得できる方法で多くの人に記事を読んでもらえるように試行錯誤していかなくては。とこの件を通してまた強く思いました。

メディアの記事が伝達していく手段の中心はSNSだと思いますが、SNSにおいて記事が読まれ広がって行く方法は大きく分けて4つかなと思います。

1.引きのあるタイトル(攻撃的であればあるほど強い)
2.影響力のある人を対象とした記事
3.印象的な画像(もっと言うとエロや動物の画像)
4.記事への反応(拡散)

で、今回のTHREEの記事で言うと4である読者のレスポンスによって情報が拡散されたということになると思います。もちろんそれがGotchさんという、とてつもなく影響力のある人が言及したということが大きいのは間違いないのですが。

いずれせよ、影響力を問わず、記事の中身に反応していただく人がいることが、小さなメディアを運営している者にとって何よりも嬉しいこと。それが書き手を応援したり、称える行為なんだということを、この機会に今一度知ってもらえたら僕としては本望です。うん、これが、今回このブログで僕が一番言いたいことです。

ここからは余談ですが、Spincoasterでは今回のTHREEのインタビューだけでなく、そういった音楽シーンに対して意義のあること、問題提起すること、新しい視座やアイデアのヒントを与えることなどを目的としたインタビューを過去にいくつか行っています。古いものもありますが、お時間がございましたらぜひご覧下さい。ここまで読んでくれた、音楽に関心の高いみなさんがこれらの記事を通して新しい視座が見つかったり、何かを考えるきっかけになったりすればとても嬉しいです。

これからもこのスタンスを崩さすに色々な方に意味のある取材ができればなと思います。

あと、先日リニューアルしたTYPICAというアプリにはそう言った音楽に対する熱い想いが込められた記事やブログもたくさんあるので、ぜひダウンロードして色々な記事を覗いて見てもらえたらと思います。最後アプリの告知になって、すみません。でも全て地続きですから。